中国
ジャスミン茶(茉莉花茶)
いちばん発酵が浅いところから。ジャスミン茶は緑茶に生花の香りを移したもので、茶葉と花を重ねては入れ替える作業を何度も繰り返します。上等なものほど仕上げに花を取り除くので、茶葉だけなのに香りが立つ。中国の食堂で食後に出てくる、いちばん身近なお茶でもあります。
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同じ葉から、これだけ違う一杯ができる。
紅茶も烏龍茶もプーアル茶も、実はぜんぶ同じ植物の葉です。違いを生んでいるのは、摘んだあとに酸化発酵をどこまで進めるか。ほとんど進めなければ緑茶に、途中で止めれば烏龍茶に、最後まで進めれば紅茶になります。
だからお茶は、産地の名前を覚えるより「発酵がどのくらいか」で並べたほうが早く分かります。この特集は発酵の浅い順に並べ、そのあと「同じ茶葉でも飲み方が違う国」、最後に「そもそも茶の木ではないもの」を置きました。今日の気分がどのあたりかで選んでみてください。
中国
いちばん発酵が浅いところから。ジャスミン茶は緑茶に生花の香りを移したもので、茶葉と花を重ねては入れ替える作業を何度も繰り返します。上等なものほど仕上げに花を取り除くので、茶葉だけなのに香りが立つ。中国の食堂で食後に出てくる、いちばん身近なお茶でもあります。
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台湾
発酵を途中で止めると烏龍茶になります。標高千メートルの霧の中で育つ台湾の高山烏龍は、丸めた茶葉が湯の中でゆっくりほどけ、蘭の花のような澄んだ香りが立ちます。渋みがおだやかで何煎でも楽しめる。同じ茶葉で3回、4回と淹れて味の変化を追うのが本場の飲み方です。
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スリランカ
ここから発酵を最後まで進めた紅茶。スリランカのセイロン茶は、標高で味が分かれるのが面白いところです。高地のウバは香りが強く渋みもはっきり、低地のものはまろやかで色が濃い。銘柄名は産地名なので、ウバ・ディンブラと書かれていたらその土地の味だと思ってください。
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ネパール
ネパール東部のイラム地方は、ダージリンと山続きです。国境が違うだけで気候も標高も近いため、味も近い。マスカットのような香りと軽い渋みがあり、それでいてダージリンより手に入りやすい価格です。ミルクを入れず、そのまま香りを楽しむのに向いています。
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ケニア
同じ紅茶でも、ケニアのものは作り方が違います。CTCは Crush(潰す)Tear(引き裂く)Curl(丸める)の頭文字で、葉を細かくして丸粒にする製法。短時間で濃く出るのでミルクに負けません。ケニアは紅茶の輸出量で世界有数の国ですが、単体で名前を見る機会は多くない。ミルクティーを本気で作るならこれです。
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イギリス
イギリスの紅茶は、産地ではなくブレンドの文化です。朝に濃く淹れるブレックファーストはアッサム主体、アール・グレイはベルガモットの柑橘で香りをつけたもの。一つの産地を突き詰めるのではなく、混ぜて安定した味をつくる考え方。一杯淹れるだけで、部屋が英国の午後の空気になります。
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中国
発酵の話の締めがプーアル茶。ここだけ微生物の力を借りた「後発酵」で、作り方がまるで違います。雲南省で作られ、年を重ねるほど価値が上がるとされる。土のような独特の香りは好みが分かれますが、脂っこい食事のあとにすっきりするので、中華料理と合わせると意味が分かります。
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インド
ここからは同じ茶葉でも飲み方が違う国。インドのチャイは、茶葉を牛乳と一緒に鍋で煮出します。だから濃く出るCTCのアッサムが向いている。生姜やカルダモンを叩いて入れ、砂糖をしっかり。「紅茶にミルクを入れる」のではなく「ミルクで茶を煮る」——別の飲みものだと考えたほうが近いです。
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トルコ
トルコは二段重ねのポット「チャイダンルック」を使います。下で湯を沸かし、上で濃い茶を煮出しておいて、注ぐときに好みの割合で混ぜる。濃いのが好きな人も薄いのが好きな人も同じポットから飲めるわけです。持ち手のないチューリップ型のグラスで、縁を持って熱いうちに。
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タイ
タイのアイスティーは、濃く淹れて氷と練乳をどぼん、が屋台の流儀。鮮やかなオレンジ色は着色によるもので、香りづけにスパイスを使ったものもあります。甘さと香りで一杯がバンコクの夕方になる、割り切った飲みものです。暑い日にはこの潔さがちょうどいい。
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エジプト
ここからは茶の木ではないもの。カルカデは乾燥させたハイビスカス(正確には萼の部分)を煮出す、エジプトの国民的な飲みものです。目が覚めるようなルビー色と、きゅっと爽やかな酸味。カフェインを含まないので時間を選ばず、冷やしても温めてもおいしい万能選手です。
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ギリシャ
ギリシャの山の斜面に自生するハーブを、花ごと乾かしてそのまま煮出します。干し草と柑橘を思わせるおだやかな香りで、こちらもノンカフェイン。現地では冬の常備品のような存在で、蜂蜜を落として飲むのが定番です。日本では扱いが少なく、Amazonがいちばん選びやすい一本でもあります。
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南アフリカ
南アフリカのセダルバーグ山脈という限られた地域にしか育たない低木の葉。赤みのある色と、ほのかな甘い香りが特徴です。ノンカフェインで渋み成分も少ないので、夜でも子どもでも飲めるのが強み。煮出しても渋くならないので、水出しでも鍋でも失敗しません。
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南アフリカ
同じ南アフリカの、ルイボスの親戚。名前のとおり蜂蜜のような甘い香りがあり、ルイボスよりまろやかです。こちらもノンカフェイン。ルイボスの独特の風味が苦手だった人が、こちらなら飲めるということがよくあります。まず両方買って比べるのが、いちばん早い選び方かもしれません。
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アルゼンチン
最後は南米のマテ茶。茶の木ではなくモチノキ科の葉で、「飲むサラダ」と呼ばれるほどミネラルが豊富です。ここまでの4つと違い、マテにはカフェインが含まれます(マテインとも呼ばれますが同じ成分です)。ノンカフェインだと思って夜に飲むと眠れなくなるので、そこだけ注意してください。専用の壺とストローで回し飲みするのが本来の形です。
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