ジョージアワインはどこで買える?8000年のワイン文化と甕仕込みのクヴェヴリを解説|オレンジワインの原点
白ワインなのに琥珀色で、渋みまである——「アンバーワイン」あるいは「オレンジワイン」と呼ばれるお酒の原点は、黒海とコーカサスにはさまれた小さな国、ジョージアにあります。
この国でぶどうからワインが造られていたことは、約8000年前までさかのぼります。その文化の象徴が、地中に埋めて使う素焼きの甕「クヴェヴリ」です。ところが日本で探すとなると、置いている店はほとんどなく、専門店の通販ばかりが出てきます。この記事では、ジョージアワインがどんなお酒なのか、クヴェヴリとは何か、そして「いつもの通販」でどう買えばいいのかをまとめます。
ジョージアワインとは?——8000年続く、ワイン文化の国
ジョージアは、人がぶどうを醸しはじめた土地だと考えられている国です。2017年に米国科学アカデミー紀要(PNAS)で報告された調査では、首都トビリシの南にあるガダチリリ・ゴラとシュラヴェリス・ゴラの遺跡から出た紀元前6000年頃の大型土器から酒石酸などが検出され、ぶどうのワインが造られていたことが示されました。現在知られているなかでも最古級の証拠です。
ここで少し正確に書いておきます。「8000年前から今と同じ甕仕込みが続いてきた」とまでは、まだ言えません。 その時代の壺が地中に埋まった状態で見つかったわけではないからです。ただし出土した壺は底がとても小さく、そのままでは自立できない形をしていることから、部分的か全部かは別として埋めて使われていたのだろう、と推定されています。
確かなのは、よく似た形の甕が今も現役で使われていることです。2013年にはこの「クヴェヴリ製法」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。技術としてではなく、暮らしの文化として残っている点が評価されたかたちです。
なお、かつて日本では「グルジア」と表記されていましたが、いまは「ジョージア」が公式の呼称です。通販で探すときは両方の表記が混在しているので、見つからないときはもう一方でも検索してみてください。
クヴェヴリとは?——土に埋めた、卵形の素焼きの甕
クヴェヴリは、内側を蜜蝋で塗った素焼きの大きな甕です。特徴は、これを地面に埋めて使うこと。首から上だけを地表に出し、胴体はすっぽり土の中にあります。
土に埋めるのには理由があります。地中は温度がほとんど変わらないので、発酵と熟成のあいだ、外が真夏でも真冬でも中は一定に保たれる。電気のない時代に温度管理を実現する、きわめて合理的な仕組みでした。卵のような形は、発酵中に果皮や種が自然に対流するのを助けます。
よく似たものにイタリアやスペインで使われる「アンフォラ」がありますが、あちらは基本的に地上に置いて使います。埋めるかどうか、そして中を蜜蝋で目止めするかどうかが、クヴェヴリとの分かりやすい違いです。
アンバーワインの正体——白ぶどうを、皮ごと漬ける
ふつう白ワインは、搾った果汁だけを発酵させます。ジョージアの伝統的なやり方はそうではなく、果皮も種も茎まで一緒にクヴェヴリへ入れて、数ヶ月そのまま置きます。
すると皮の色素とタンニンが果汁に溶け出し、白ぶどうから造ったのに琥珀色で、渋みのあるワインができあがります。これが「アンバーワイン」、いま世界で「オレンジワイン」と呼ばれているものの原型です。
味わいは白ワインの延長線上にはありません。紅茶や干し柿、ナッツを思わせる香ばしさと、赤ワインのような渋み。冷やしすぎると渋みだけが立ってしまうので、白ワインより少し高めの温度で飲むのがおすすめです。冷蔵庫から出して10分ほど置くくらいが目安になります。
品種と産地——サペラヴィ、ルカツィテリ、そしてカヘティ
ジョージアには数百種類もの土着品種があるといわれますが、日本で見かけるのはおもに次の3つです。
ルカツィテリは白ぶどうの代表格で、クヴェヴリで仕込むとアンバーワインになります。ムツヴァネも同じく白で、こちらはより華やかな香りが持ち味。そしてサペラヴィは黒ぶどうで、名前は「染めるもの」を意味します。果肉まで赤い珍しい品種で、グラスの底が見えないほど濃い色になります。
産地は、東部のカヘティが最大の生産地。西部のイメレティは皮の漬けこみが短めで、同じアンバーワインでも軽やかに仕上がる傾向があります。ラベルに産地名が書かれていることが多いので、飲み比べるときの手がかりになります。
どこで買える?——実店舗はまれ、通販が確実
日本の一般的なスーパーやコンビニでジョージアワインを見かけることはほとんどありません。輸入食材店やワイン専門店にごくまれに置いてある程度で、確実なのは通販です。
楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonで「ジョージア ワイン」と検索すると、赤・白・アンバーがひととおり見つかります。アンバーワインを狙うなら「ルカツィテリ クヴェヴリ」、濃い赤なら「サペラヴィ」と品種名で検索するほうが早く目当てに届きます。価格帯は2,000〜4,000円台が中心で、6本セットにすると1本あたりがぐっと下がります。
選ぶときの目印は、ラベルや商品名にある「クヴェヴリ(Qvevri)」の表記です。これがあれば伝統製法で仕込まれたもの。同じ品種でも、ステンレスタンクで造った現代的なタイプは味わいがまったく違います。ちなみに、素焼きの陶器ボトルに入った商品もあり、贈り物にすると見た目でも喜ばれます。下の検索ボタンから、いまの品揃えと価格を見比べられます。
なお、20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。妊娠中・授乳期の飲酒も控えてください。
ジョージア
ルカツィテリ・クヴェヴリ(アンバーワイン)
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よくある質問
- Q. 「グルジアワイン」と「ジョージアワイン」は同じものですか?
- A. 同じ国のワインです。国名の日本語表記が「グルジア」から「ジョージア」に変わったもので、中身に違いはありません。通販サイトによってはいまも「グルジアワイン」と表記していることがあるので、探すときは両方の言葉で検索すると見つかりやすくなります。
- Q. オレンジワインとアンバーワインは違うものですか?
- A. 指しているものはほぼ同じで、白ぶどうを果皮ごと漬けこんで造ったワインのことです。ジョージアでは伝統的に「アンバー(琥珀)ワイン」と呼び、世界的には「オレンジワイン」の呼び名が広まりました。ジョージア産のものはクヴェヴリで仕込むぶん、渋みと香ばしさがよりはっきり出る傾向があります。
- Q. どんな料理に合いますか?
- A. アンバーワインは渋みがあるぶん、白ワインが苦手とする料理にも寄り添います。くるみやチーズ、スパイスの効いた煮込み、鶏の香草焼きなどがよく合います。サペラヴィのような濃い赤は、羊肉や牛の煮込みが定番。ジョージア料理では、くるみのペーストを使った料理と一緒に飲まれています。
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